株式会社アトックスについて。

最終更新日 2024年4月25日 by taktlo

株式会社アトックスは日本の原子力産業の創成期より活躍してきた事で知られる、原子力関係のメンテナンス専門会社です。

福島第一原発の事故についても対策活動を行っており、現場で難度の高い作業に従事しています。

放射能汚染の除去や放射能管理でも、研究と実践を行っておりロボットの導入等についても積極的な事で定評があります。

福島の仕事では具体的には、フランジ型タンク解体に向けたタンク内の残水移送やクラッド回収及び清掃業務、ならびに建屋内線量低減に向けた線量調査と除染を実施しています。

他にも高線量箇所の線量調査と空撮も行っており、ドローンを作業に投入する事で低コストで、見え難い場所の詳細情報を多く集める事にも成功しました。

原子炉の設備工事の方では、汚染水に含まれるセシウムやストロンチウムを低減させるセシウム吸着装置の1型と2型の運転と保守管理をしています。

勿論、セシウム以外の放射性物質にみ対応しており、トリチウム以外の全ての放射性物質を回収出来る増設多核種除去設備も福島第一原発で稼働中です。

 

アトックスは600名を超える放射線取扱資格者を所有

ニュース等で福島の除染に使われる機械としてALPSという名前を聞いた人も多いと思われますが、その管理を行っている会社と考えてもらえれば齟齬がありません。

これらの作業を行う従業員の体には、大きい負担が掛かる物ですが、その負担を最小限とする為に施設内の定期的な放射線力の測定であったり、地域住民も使える貸倉庫の提供等にも積極的です。

福島以外の原発でも行っている仕事では、放射線管理が代表的です。

アトックスは600名を超える放射線取扱資格者がおり、放射線線量率測定や空気中放射能濃度測定が即出来る体制を常時整えています。

他にも放射線測定器の点検保守、搬出物品の汚染管理も守備範囲内であり、電力会社や機器メーカーとの連携実績が豊富である事でも他の追随を許しません。

特に放射性廃棄物処理については一家言あり、原子力発電所施設で発生した液体や固体等の放射性廃棄物を各種処理法を用い、貯蔵体積を極限まで減らす技術については定評があります。

福島でもこの技術は役に立っていますが他の原発においても高レベルの技術が必要とされる現場は多いので、アトックスは常に研究と研鑽を続けています。

原子力リサイクル施設の運営についても、ハイレベルな対応が出来る事等も大きいポイントです。

 

ウラン濃縮施設メンテナンスでも多くの実績を持つ

確認しておきたい点はまだあり、アトックスはウラン濃縮施設メンテナンスでも多くの実績を上げています。

原発においてウランは最も気を使わなければいけない事柄ですが、アトックスでしたら運転から点検、補修までその全てをメンテナンス項目として実行可能です。

これは再処理施設や放射性廃棄物埋設施設、中間貯蔵施設についても同様となります。

原発はその性質上人間が直接入って作業出来ない場所があり、マニュピレーターを使わなければならない事が多いですがその操作と移設、保守点検等をアトックスは行えます。

他にも低レベル廃液の処埋設備点検や出入管理、クレーンとバルブ点検等しなければならない事は多いですが、その全てにアトックスは対応可能です。

廃棄物の埋設や中間貯蔵施設も容器に破損が無い様に調べないといけませんが、それには長年の実績と経験、そして多くの知識が必要となります。

アトックスレベルで、それらを円滑に行えるだけの条件を揃えている会社は決して多くありません。

後は、原子力と言えば発電所を思い浮かべる事が多い物ですが、アトックスは医療分野の方でも研究を行っています。

代表的な物では、頭部PET装置によるアルツハイマー症の早期発見方法の研究があげられます。

少子高齢化社会になった昨今、アルツハイマー病は深刻な問題であり、その発見にPETを使う事に注目が集まっています。

ですが残念ながら現在は全身用の大型PETしか存在しておらず、これではコスト面で大きい問題があります。

画質の方でもハイクオリティにならない等の課題が浮き彫りになっていますが、アトックスはこの改善研究に乗り出しています。

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構と、従来装置より高感度で低コストで、普及に有利な小型形状である頭部専用PET装置を開発する契約を結びました。

その上でヒロセ電子システム株式会社の協力も受けつつ、現在試作1号機の制作に着手しています。

研究は順当に進んでおり、臨床試験の方でも高い結果が出る事が期待されています。

 

まとめ

これ以外にも、新たながん治療法として、アルファ線放出核種を用いた新型のジェネレーターの開発等を行っている事も特筆すべきポイントと言えます。

上手くいけば体の内部からがんを狙い撃ち出来る様になり、切らずにがんを治す事が可能となります。

転移性のがんにも有効ですので、今後の結果が期待されます。

アトックスは原子力に関する事でしたら、全てを網羅している会社であると言っても過言ではありません。

昨今、原子力に対しては厳しい意見も多く聞かれる様になっていますが、大きい可能性がある分野であるのもまた事実です。

その意味においてアトックスの今後の活動には多くの注目が集まっています。